石川けんじ
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子どもの放課後の生活の場ー学童保育は必要

「子育て新システム」では、小学生の放課後の生活を支えている「学童保育」についての検討も行われています。関係者の皆さんは、「学童保育」をしっかりと法律に明記し、設置基準など国の責任ある位置づけと対応を求めています。

川崎市が市の事業として「学童保育事業」を廃止してしまってから10年になります。現在行っている「わくわくプラザ事業」があるから「それでいい」というのが市の考え方です。しかし、うちに帰っても保護者がいない「学童保育」の対象児童へのケアーと放課後の遊び場を提供する「全児童対策」の「わくわくプラザ」の役割とは、それぞれ、とってかわれない機能があります。その機能について、現在、学童保育を自主的に運営している施設を訪ね、考えてみました。

 

花の台学童保育ホールをたずねて

有馬のつつじ公園の近くに「花の台学童保育ホール」はあります。子どもたちが学校から帰る前の準備時間に、専任の職員(指導員)の田中千景さん、勝山翔太さんに、お話を伺いました。

学童保育は、保護者の就労などで、帰宅しても保護者がいない小学生の放課後の生活の場です。「ただいま!」と帰ってくる子どもたちに、家庭に代わって放課後の生活を支えます。「帰ってくる子どもに、宿題をやるよう促したり、遊んだり、班でおやつや掃除もします。2・3年生が1年生に掃除を教えてあげたりもします。」と楽しそうに語ってくれたのは、指導員になって5年目の勝山さん。「最近、子どもの放課後の時間が短く、のびのびと遊ぶ時間が無くなってきている。1年生も大変」と心配するのは、28年の経験を持つ田中さん。それだけに、帰ってくる子どもたちが安心して放課後を過ごせるよう、しっかりと子どもを受け止める環境が必要と感じました。「親だけじゃなくて、4~5年もの間、子どもの成長を見守る目があるというのも大切」という言葉には、学童保育の良さが表れていました。

学童保育は、保護者や卒室した先輩やその保護者も一緒に支えています。「お父さんやお母さんが子どもの成長を実感できるのも特徴」と言います。夏のキャンプや餅つき大会など、お父さんやOBが手伝います。学童保育は「地域の子育て力」も育てます。

全国では、年々施設数は増え、昨年5月時点で3万か所を超え、約82万人の児童の放課後の生活を支えています。ところが、阿部市長は、『行革』の名で、40年間市民の運動で築いてきた公設公営の学童保育所115か所の全廃(2003年)し、同年4月から、全児童対策の「わくわくプラザ」を始めました。それでも、子どもの成長を支えるには、学童保育が必要と自主的に学童保育を立ち上げました。現在、市内9か所運営され、宮前区には3か所の自主学童保育があります。行政の財政的支援のない中、保護者・OBによって運営されています。

「課題は?」との問いに、「市の補助がほしい」と口をそろえます。国が補助金を出しているものの、川崎市が市の事業と認めなければ、補助金はおりません。場所の確保、年間1000万円近い運営費、保護者の負担は少なくありません(花の台では、一人月額2500円が基本になっています)全児童対策と学童保育とでは法律の位置づけも違い、それぞれ、個別の事業として充実させることが、求められています。

宮前区内の自主学童保育施設

■自主共同花の台 学童保育ホール  ℡044 (877)5304

216-0003 川崎市宮前区有馬3‐14‐19 [田園都市線 宮前平駅]

■自主学童保育 ささのはクラブ 044 (777)7240

216-0001 川崎市宮前区野川3214-3 [東急バス 野川台]

■学童保育 スキップ鷺沼 044 (866)8871

216-0004 川崎市宮前区鷺沼3-3-1 伊藤ビル204 [田園都市線 鷺沼駅]