6月議会で一般質問を行いました。(3、西部地域療育センターについて)
2009,06,30, Tuesday
3回目は、西部療育センターについてです。
(質問1)
地域療育センターは、地域の障がい児の診療相談支援機関として、大きな役割を担っています。現在、市内3か所ある施設に加え、民設・民営の手法によって、4か所目の施設として整備されるのが、社会福祉法人新生会によって整備される、西部地域療育センターです。
新たに整備されることによって、施設が担当する地域が変わります。西部地域療育センターが担う地域は、宮前区全域と多摩区の一部地域です。施設の特性からしても、利用施設の変更は、十分な合意と利用児童に不安を与えないような、特段の配慮が必要と思いますが、対応を伺います。
(答弁・星こども本部長)
現在の中部・北部の療育センターからの移行にあたり、ご家族やお子さんの不安を解消し、円滑な移行を進めてゆくことは、大変重要なことと認識しております。
このため利用者向けの説明会を延べ10数回開催し、さらに、各地療育センターにおいて個別の相談や調整を進めているところです。
併せて、運営法人と利用児童、保護者の間で、十分な信頼関係を築くことが重要であると考えておりますことから、本年4月に運営法人が設置した「開設準備室」にて、現行利用者へのアンケート調査及び現状の把握を行うとともに、利用者との関係づくりに取り組んでいるところでございます。
今後は順次、準備担当職員を増員し、現行地域療育センターの療育の場面にも参加し、障害特性などを把握しながら、移行の準備を進めてまいる予定です。
(質問2)
移行については、「ご家族やお子さんの不安を解消し、円滑な移行を進めてゆくことは、大変重要なことと認識しております。各地療育センターにおいて個別の相談や調整を進めているところです。」とのことです。利用者の中には、せっかく馴染んだ環境の変化を望まない方もいらっしゃいます。障害の特性を考えれば、移行を強制することはできないと思いますが、確認をしておきたいと思います。また、西部地域療育センター開設以降も、順次、利用児童の移行が行われるとすれば、当初予定された児童数とは多少異なる状況になることも、ありうる話です。そこで、心配なのが、職員配置です。西部については、利用児童が当初見込んでいた児童数に満たない場合でも、計画通りの職員配置が可能な運営費が支払われるのか、また、利用児童の移行によって、北部や中部での職員が減らされることがないか、伺います。
(答弁・星こども本部長)
利用移行についてですが、(仮称)西部地域療育センターにつきましては、中部および北部地域療育センターにおける発達相談等の利用ニーズの増加に対応するため、新たに施設を設置し、より身近な地域で療育を受けられる環境を整備することを目的として新設するものです。
これによりまして、各地域療育センターが所管するエリアは小さくなり、通園時間の短縮が図られ、児童にかかる負担も軽減されるものでございます。したがいまして、当該地域にお住まいの方々に対しましては、特別な事情がある場合を除きまして、丁寧な説明を行いながら、原則的には、利用の移行についてご理解をいただけるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、運営費については、開設当初から安定的な運営ができる助成の仕組みづくりについて検討しているところでございます。
次に、中部および北部地域療育センターにつきましては、来年度以降の利用実績を踏まえまして、適正な職員配置を行ってまいりたいと存じます。
(質問3)
移行については、特別な事情がある場合を除き、利用移行について、理解いただくよう努めたいとの答弁でした。特別な事情を認めたという点で、十分事情を考慮した対応になると理解をいたします。次に、移行する際の利用児童の保育情報について、しっかり伝えることが「円滑な移行」には欠かせません。保育情報は個人情報ではありますが、ご家族の了解があれば、移行先に引き継げるものと思いますが、取扱いについて伺います。
(回答・星こども本部長)
利用児童の個人情報の取り扱いについてでございますが、各地域療育センターで所有しております児童の療育等の情報につきましては、個人情報に該当するものが多く含まれておりますことから、新たな地域療育センターへの引き継ぎが必要な場合は保護者の方の了解のもと、執り行うことを予定しています。
(質問4)
西部療育センターは、宮前区平地域に整備されます。しかし、この場所は、最寄りの駅からも2キロメートルもあり、対象地域も広範囲です。児童の送迎も1時間以内と考えると、送迎バスも4台必要といわれています。また、車利用の場合でも、駐車場も15台と狭く、近隣の駐車場の確保も必要だと思います。こうした、地域特性について、配慮した市の対応が必要と思いますが、伺います。
(答弁・星こども本部長)
今回市内で4か所目の療育センターを新設することによりまして、担当エリアが従前より小さくなり、通園バスの運行時間を短くすることに伴いまして、通園児への負担を軽減できるものと考えております。そのことを前提といたしまして、現在、通園バスのルート、バス停の配置、バスの所要台数等を、法人と連携しながら検討しているところでございます。
また、駐車場の確保についきましては、限られたスペースでございますので、利用方法を工夫するとともに、近接地での駐車場の確保なども検討しているところでございます。
(質問5)
通園バスの運行時間の短縮は、利用児童にとって重要なことです。何分以内が適切な運行時間だと考えているのか、伺います。
(答弁・星こども本部長)
通園バスについてでございますが、通園バスの運行時間につきましては、概ね1時間以内が好ましいと考えているところでございます。
(質問6)
利用児童にとって、保護者と通園する「親子通園」と児童だけで利用する「単独通園」とがあります。4歳児ぐらいになると「親子通園」をへて、「単独通園」にできる場合があります。お母さん、お父さんの手を離れて、一定の時間過ごすことは、子どもの成長にはとても大切なことだと、関係者から伺いました。また、一定の時間、お子さんから手が離れることで、パートに出るなど、親御さんの経済的支援としても重要です。本市の「単独通園」について、見解を伺います。
(答弁・星子ども本部長)
親子通園につきましては、保護者の方が専門職による療育の場面に参加することにより、生活の中心である家庭における療育スキルを高めるとともに、日々の通園の中で親同士が情報や悩みを共有し学びあうという特徴がございます。
一方、単独通園につきましては、親以外の他者とのかかわりを広げ、自立心や社会性を身につけるという特徴がございます。
現在、本市の療育センターでは、療育効果を高める目的を持って、年齢や児童個々の障害特性等を勘案しながら、これらを併用して実施しているところでございます。また、新設する地域療育センターにおきましてはも同様の考えで検討を進めているところでございます。
(質問7)
「単独通園」を行うためには、職員の配置が異なります。「母子通園」の場合は児童と保育士の割合は4対1で「単独通園」の時の児童と保育士の割合は、3対1です。本市では、週3回の通園のうち1回を「単独通園」にするなど併用していますが、本市でも、職員を増やせば、「単独通園」を充実させることができると思いますが、見解を伺います。
(答弁・星子ども本部長)
(仮称)西部地域療育センターが開設することによりまして、中部および北部地域療育センターの利用状況にも余裕ができると予想されますことから、単独通園の充実につきましても、検討が可能だと考えております。
(質問8)
最後に、西部療育センターの施設概要には、地域交流室を設置するとありますが、広さや運営方法など検討内容を伺います。
(答弁・星こども本部長)
近隣町会等と設置・運営法人の協議によりまして、90㎡程度の会議室を運営に支障ない範囲内で近隣開放する予定となっておりまして、運営方法等につきましては、今後、協議してゆくこととなります。
(意見)
療育相談は年々増加していると聞きました。ますます、地域療育センター重要性は、増しています。しかし、それを支える財政的なサポートは、十分でないのが実情です。国の悪政の下で、必要な支援を行うためには、市独自の財政的支援のさらなる充実が必要です。
このことを、財政局長にも要望し、質問を終わります。