第2回川崎市議会定例会 一般質問の要旨をご報告します。
6月2日から25日まで行われた第2回川崎市議会定例会において、6月23日質問を行いました。
テーマ1住民の足を確保していつまでも住み続けられるまちに
野川南台団地「みらい号」へ、道路環境整備も含めた支援の強化を
宮前区内のコミュニティバスの実施について、野川南台団地自治会が運行する「みらい号」の課題について質問。野本紀子宮前区長は「運営を担っているボランティアの方々の固定化や、新たな担い手の不足など、安定的、継続的な運営には、様々な課題がある」「従来のコミュニティ交通に関する取り組み手法だけでなく、関係局とも連携を図りながら、幅広く模索してまいりたい」と答弁しました。地元からは、自主運行から事業者による事業化への声もあることから、道路環境の整備なども視野に入れた区としての支援策が必要です。私は、「様々な部門の協力が必要だ。宮前区がコーディネートの役割を果たすように」求めました。
コミュニティー交通の運行経費への補助拡充が必要
有馬・東有馬や白幡台地域の取り組みへの支援について、「採算性重視」が問題と指摘。県内でも海老名市や相模原市で行政の支援でコミュニティバスを運行している例をあげ、高齢者や障がい者の乗車時にその割引料金(100円)のみ補助を出している現在の運行経費への支援を拡げるよう質問しました。
金子督まちづくり局長は、「運行経費を乗客の運賃収入によって賄うことが基本」「しかしながら、本市のコミュニティ交通は、狭隘な道路環境や乗客の需要などから中小のバス事業者が小型車両で運行するなど、採算性の確保が難しい」と述べ「運行事業者の負担を軽減し、新規参入がしやすいように環境に加え、一定の条件のもと、車両買替や時の支援及び予備車両を無償で貸与する制度も創設した」と答弁。
私は「『採算性の確保が難しい』というのであるならば、運行経費への支援の充実が必要」述べ、「高齢者など移動制約者が今後一層増える中で、車に頼らずとも徒歩や安くて利用しやすい公共交通整備で、生活が充足できるまちづくりは、行政が優先的に取り組むべき課題だ。コミュニティ交通の数字では表れない「価値」を生み出しているのではないか」と市長に質問しました。
福田紀彦市長は「その地域の交通課題の解決や高齢者の外出支援など、様々役割を担っている」としながらも、「「受益者負担の原則からも、運行経費を乗客の運賃収入によって賄うことが基本」「しかしながら、コミュニティ交通の安定的な運営・運行を持続するためには、一定の支援も必要」と従来の支援策に留まりました。
私は、「住み続けられるまちをつくることは、行政の大切な課題。市民の足の確保移動する権利の保障は、住み続けれられるまちの欠くことのできない要素であり、支援の拡充が必要」と支援の在り方の改善を求めました。
テーマ2 東高根公園グランド周辺の安全対策
東名高速道路側道にガードレール設置を検討
宮前区神木本町交差点から東高根公園グランド東名高速の側道には、歩道と車道を分けるラバーポールが設置されていますが、歩行者を守るためにはガードレールの設置が必要と安全対策の強化を求めました。野本紀子宮前区長は「当該道路は通学路でもあり、この区間におけるガードレールの設置につきましては、地元町会や関係部署との調整を踏まえ、設置に向けて検討してまいります」と答弁しました。
私が「グランドから東名高速を渡り、長尾小学校へ行くまでの道路も道路幅が狭く安全対策が必要」と求めたのに対し、渡邊直美教育長は「ご指摘の個所は、学校からも改善の要望が提出されている。通学路安全対策会議宮前区部会におきまして、現地を確認し改善する方向で検討を行っている」と述べました。
テーマ3 子どもたちの「生活の場」に ふさわしい放課後対策を!
自主学童保育にも財政的支援を!
新たに制定された「子ども・子育て支援法」において、学童保育が市町村で条例で制定されるようになり、来年度の実施を前に、川崎市でも条例化の準備が進められています。国が示した「設備及び運営に関する基準(省令)」への対応について質問を行いました。
○「児童の集団の規模は、おおむね40人以下とする」「支援員の数は支援の単位ごとに2人以上、うち一人は有資格者を配置する」という基準について。
成田哲夫こども本部長は「厚生労働省令の基準では、児童の支援の単位はおおむね40人以下とされており、支援の単位ごとに2人以上の支援員を配置することとされていることから、40人を超える箇所については、集団ごとに必要な職員を配置するなど、基準に沿った対応を図ってまいりたいと考えております」と答弁。
○「遊び及び生活の場としての機能及び静養するための機能を備えた専用区画の面積は、児童一人につきおおむね1.65㎡以上でなければならない」という基準について
成田哲夫こども本部長は、「厚生労働省の参酌基準として事業を実施している時間帯を通じて専用区画を設けることとされておりますので、専用区画の設置を行ってゆくものと認識しております」と答弁。しかし、「(省令では)専用区分について、利用者の支援に支障のない場合はこの限りではないとされており、すべての事業と一体的に実施する際に、利用者が利用者以外の児童とともに遊びや生活時間を過ごす場合が考えられる」との答弁もあり、必要な専用室の確保を曖昧にし、専用室としての実体のない「名ばかり専用室」でごまかそうとする姿勢も見られました。
○地域で放課後の生活を支える「自主学童保育」への支援について
成田哲夫こども本部長は「平成26年4月の厚生労働省が定めた放課後事業健全育成事業等実施要項において、指定都市または中核市が実施する事業又は助成する事業としておりまして、民間事業者におきましては、様々な運営形態がありますことから、その対応につきましては、わくわくプラザ事業との整合性を踏まえた検討を行っている」との答弁に止まりました。
注) 「わくわくプラザ」と「学童保育」って違うの?
「わくわくプラザ」は、登録すれば誰でも利用できるもので、「全校児童対策事業」「放課後こども教室」などと呼ばれ、不特定多数の児童を対象とします。一方、「学童保育」は、「放課後児童クラブ」とも呼ばれ、就労などで昼間、保護者のいない児童を対象にしたものです。どちらも、放課後のこどもの居場所として役割を持っていますが、「学童保育」は「遊びの場」としての機能だけでなく、家庭にいると同じように「生活の場」としての機能が求められることから、適正な規模、施設基準、職員配置基準などが求められるようになりました。川崎市は「わくわくプラザ」で「学童保育」を「一体的」に実施しているとしていますが、「学童保育」としての実態はありません。それぞれ、特性を生かし個別の事業として、実施することが必要です。