石川けんじ
石川けんじ石川けんじ

「アスベスト被害者の早期救済・解決を求めるよう国に意見書を求める請願」の審議結果=日本共産党は提出を要求しましたが、意見書提出はまとまらず、継続審査に

 

  8月22日の環境委員会で、建設労働組合連合会(会長 伊藤 栄一)ほか2団体から出されていた請願「建設業従業者のアスベスト被害者の早期救済・解決を図るよう国に働きかける意見書の提出を求める請願」が審議されました。

  はじめ、アスベスト対策について、環境局・健康福祉局から説明がありました。「アスベストは、きわめて細い繊維で、建材、摩擦材、シール・断熱材といった様々な工業製品に使われていた。また、アスベストは、じん肺、悪性中皮腫、肺がんの原因になることが知られている。それらの健康被害は、アスベストにばく露されてから長い年月を経てあらわれ、たとえば、中皮腫は平均35年前後という長い潜伏期間の後、発病することが多いとされている」との説明があり、今後も対象者も増加する可能性もあり、対策の充実が求められていることが明らかになりました。

現在の救済策は、①労災による保障②労災補償によらない者に対する救済がありますが、審議の中で、労災による保険給付が「生活保障」の役割があるのに対し、「救済策」については、医療費などの補助的役割しかなく、支給金額も大きく異なることも論議されました。

日本共産党の井口委員は、アスベスト被害がいかに深刻なものか、中原区の男性(大工さん)の事例を紹介「元気で働いてきた人が、トイレに行くのも苦しくてままならなり、なくなってしまった」「危険性を知らされなかったため、アスベストがもうもうとする中でマスクも付けずに働いてきた。」と国の責任は大きいと意見書提出の意義を訴えました。

しかし、自民・民主・公明・無所属の各委員は、「裁判で係争中、経過を見る」と意見書の提出については意見がまとまりませんでした。井口委員は、「横浜地裁の判決でも、国に石綿被害に関する法律の充実、保障制度の創設の可否を含め再度検証の必要性があるある」と認めている」と意見書の提出を求めましたが、意見書の提出は、全会一致が原則となっているため、提出には至りませんでした。請願についても継続となりました。

今回は、「継続」となりましたが、被害者が多く亡くなる等、被害者の救済は急がなければなりません。日本共産党としては、国政とも力を合わせて、被害者の救済策の充実を求めてゆきたいと思います。