木造住宅の耐震補強工事への補助の増額を
今回の震災でみなさんはどんなことをお感じになったでしょうか。私は経験したことのない揺れで大変不安になりました。さらに、地震の被害の大きさが報道されるにつれ、あのような災害がもし川崎で起ったら、どうなるだろうか、本当に心配になりました。
宮前区にも、大きな地震があった場合を想定した「地震被害想定調査」があります。昨年の3月に行ったものです。それによると、もし、川崎直下型のマグニチュード7.3の地震を想定した場合、震度6強のゆれが起り、区内の建物総数約3万3千戸のうち、全壊、3250戸、半壊 7670戸、建物の約3割が全壊ないし半壊するというものでした。
避難所は、小中学校を初め、公共施設があてられていますが、食料品などの備蓄は、多くの被災者が出た場合には、対応できるものとなっていません。停電やガソリン不足による流通の麻痺、3日後には、他都市から支援が受けられるという想定自身、見直しが必要です。
何よりも、震災に強いまちづくりを勧めるためには、建物の耐震補強、各ご家庭での家具の転倒防止など地震対策が必要です。市内の古い耐震基準で作られた建物は、6万戸あります。市としては、建物の耐震診断や改修工事に補助金を出していますが、2005年から8年までの4年間の耐震診断1620件、そのうち、改修工事されたのは、127件、わずか診断の7.8%に過ぎません。その原因には、補助金の額の低さがあります。一般家庭の改修工事の上限額はわずか60万円しかありません。これでは、改修工事は進みません。新年度の耐震工事の補助金は年間2800万円に過ぎません。市民の関心が高まっているときに、補助金を抜本的に引き上げ、震災に強いまちづくりを進めることが必要です。
また、3月議会で日本共産党が提案した「住宅リフォーム助成制度」は、住宅の一部を補強する工事にも活用できるもので、地域の仕事起しとして提案したものですが、災害予防対策としても、大いに役立つものです。議会では、日本共産党以外は反対しましたが、これからも、「住宅リフォーム助成」の制度化に向けて、一層、運動を広げてゆきたいと思います。
また、国の制度の問題では、被災された方の個人補償が低すぎることです。家が全壊しても300万円までの支援しかありません。これでは、生活再建のめどが立ちません。個人補償の抜本的増額が必要です。これは、私たち自身の問題だと思います。