石川けんじ
石川けんじ石川けんじ

ガントリークレーンよりも市民生活優先に

新年度予算の中には、「あれ?」と思うような予算の使い方がいくつかあります。その一つが港湾局のガントリークレーンの設計費821万1千円が予算計上されていることです。
ガントリークレーンは、東扇島のコンテナーターミナルに現在2機設置されているもので、整備当時は1機16億円かけた整備に、市民からも批判の声が上がりました。今回は、11億円のクレーンを作るための設計費の計上です。

過大予測は過去の二の舞になる

確かに、船による物流は、大型コンテナー船化してきました。しかし、現在の利用状況は、外国航路5路線、うち「OOCL」の航路は、本線は入港せず、横浜にはしけで運んでいるもので、週3日の稼働しかありません。市は、臨海部に物流企業を誘致し、そこの取扱量が増えると言いますが、現在の取扱量は、2008年51、386TEU(コンテナーの数え方)、今年は、不況のあおりで半年間で1500TEUに過ぎません。この施設の最大取扱量は、13万TEUですから、岸壁の着船状況からも取扱量からしてもこれ以上の設備投資は過剰です。

今後に備える」ためというが…

市は、今度の設計費の計上について、「すぐに整備するのではなく、必要となったときに迅速に対応するための準備」と説明していますが、景気動向も誘致企業の利用状況もはっきりしないうちに、コンテナターミナルへのさらなる資金の投入を進めることは、大きな税金の無駄づかいへの道を進めることになります。市民が、いま必要としているのは、保育園であり、特養ホーム等、市民生活を直接支援する施設です。港の機能は、市民生活にとっても、大変重要なものですが、国が進める「スーパー中枢港」構想に乗って、必要以上の整備を進めるならば、以前、第3セクターも「コンテナーターミナル株式会社」が倒産した時の二の舞になるのではないでしょか。