石川けんじ
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スマイル保育園の閉園について

2008,11,07, Friday

10月31日に、突然の閉園。お迎えにいって、「明日から閉園です。近隣を紹介します」と告げられた保護者や児童の困惑は、察するにあまりあります。共産党市議団では、昨日(11月6日)に市に対して申し入れを行いましたが、何よりも、行き場のないお子さんを残さないということが 大切だと思います。昨日の申し入れの中でも、2名の方が自宅での保育を余儀なくされているということで、その方たちの実情に合わせた支援をすることが必要です。
今回の件は、安易に「民営化」を推し進め、とりわけ、企業参入を推進してきた川崎市の保育行政そのものを問うことになりました。突然の閉園は、言語道断としても、企業の論理からすれば、利益が上がらなければ、撤退するというのは、当然の結論なのかもしれません。しかし、保育園は「ここがだめなら、ほかに行く」というものではありません。だから公的に支え、継続的に保育が保障されなければならないのです。
そもそも、保育行政は児童福祉法24条に定められた、市町村の重要な仕事です。勿論、民間の力を借りることも大切ですが、その場合でも、営利を目的としない社会福祉法人に限るべきで、企業参入を認めることは、今回のような混乱を再び招くことにもなりかねません。
保育は人が人を育てる仕事です。どのように育てるのか、その質はその後の人生にも大きく作用するものでしょう。幼児期に自分をしっかり受け止めてもらえて、自己肯定感を育てられた子どもは、人間味あふれた人格を得ることができるのではないかと思います。ひいては、犯罪の抑止や社会の安定にもつながることが、専門家の研究でも明らかになっているとお聞きしました。
目先の利益や経費削減に目が奪われては、大きな社会の損失を招くことになります。何よりも、本人にとって、そして、親御さんにとって、子どもがもっと大切にされる市政が必要です。今回の件は、改めてそのことを考えさせられました。