石川けんじ
石川けんじ石川けんじ

2017年度の公立保育園の民営化予定の4園の選定が報告されました。宮前区は、向丘保育園、向丘乳児園が対象となりました。

10月7日の市民委員会で2017年度から民営化するとした公立保育園4園が報告されました。

①渡田保育園(川崎区)建替えによる民営化

②橘保育園(高津区)譲渡による民営化

③向丘保育園、向丘乳児園(宮前区)建替えによる民営化

④東中野島保育園(多摩区)建替えによる民営化

以上の4園です。建て替えは、近隣に仮園舎を建てて行われます。11月から保護者説明会を行うとしています。社会福祉法人などが事業主体の対象になるとしています。

公立保育園の民営化には反対です

川崎市は公立保育園を各区3か所だけ残し、あとは民営化をする計画ですが、現在の利用児童、保護者と保育士の信頼関係を断ち切り、民営化することはあってはならないことです。しかも、保育士不足が社会問題化している中で、保育という仕事を公的に支え、保育士が長く働き続けることが出来るようにすることは、保育士の層を厚くし、結果として、子どもの健やかな成長を支えることになるのです。

「民間の方が安い」と言われますが、川崎市では、民間の保育士の給料が公立保育園と格差が生じないよう「処遇改善費」を補助していて、基本的に運営費の違いはない仕組みになっています。それでも、民間の方が安いというのは、民間の保育士の方が経験年数が浅い方が多く、それで、人件費が安く抑えられいるからにすぎません。

何より大切なのは、子どもにとって最善の方法をとるという姿勢です

待機児童を抱える川崎市にとって、保育園の増設は急務です。国は民営化を進めるために、民間で保育園を整備する場合は補助を出しても、公立を整備する場合は、補助しない等、理不尽なやり方を地方自治体に押し付けているのも事実です。新設保育園が民間で行われているのもそのためですが、公立保育園を民営化することはありません。また、民間と言っても社会福祉法人もあれば企業が行う場合もあります。議会でも、企業運営の保育園で人件費の割合が社会福祉法人などの割合に比べても低いこと、また、関連企業や本部に保育運営費が還流しているなど運営費の在り方も問題となっています。

「市は、お金がないから仕方がない」というけれど

川崎市は、財政的には政令市で一番健全な財政状況になります。2014年度の見込みでは、収支の均衡がとれ、地方交付税の不交付団体になる可能性もあるとされています。「財政難」の宣伝は、市民要求を退けるための宣伝です。保育園の整備を進める財政力は十分になります。

行革をやればその分、「行政改革推進債」というものが発行できる仕組みがあります。これは、建物の建設など投資的経費にのみ使える債権です。これらの債権が拠点開発や先端産業の拠点づくりに使われています。公立保育園の民営化も「行革」の一環です。その「行革効果」で絞り出したお金が無駄な大規模開発などに利用されているとしたら、怒らずにはいられないと思います。「こどもの笑顔あふれる最幸のまちかわさき」を標榜する市長なら、子どもにとって最善の方法を取るべきです。現在の信頼関係を断ち切るような冷たい仕打ちを子どもたちにすべきではありません。