石川けんじ
石川けんじ石川けんじ

かながわクリーンセンターの破たん。 市の負担は、およそ20億円。環境委員会で報告がありました。

川崎区千鳥町にある「かながわクリーンセンタ―」は、神奈川県・横浜市・川崎市の3公共団体で構成する「(財)かながわ廃棄物処理事業団」により、2000年6月より操業していました。当時は、産業廃棄物の不法投棄や都市部の産業廃棄物が地方への負担となっていることなどから、排出する地域で処理をすることができるよう整備されたものです。

整備は、建設資金77億2800万円を「日本政策投資銀行」から借り受け行われましたが、現在、返済が済んでいない34億5500万円を3公共団体で等分し、負担することになります。さらに、市として事業団への貸付金 約8億1100万円があり、負担総額は、およそ20億円になります。

施設は、入札により「株式会社クレハ環境」が14億6900万円で譲渡され、事業団の債権処理に充てられます。事業団に対し貸付金のうち約4億4100万円を返済請求を起こしていますが、事業団の資産は、譲渡金の14億6900万円が主なもので、4~5億円程度と見込まれています。

環境委員会で、私は、①損害の実態 ②責任の所在 ③今後の環境対策 などについて質問を行いました。

立当時の事業の必要性には、やむを得ない側面もありますが、その後、2003年をピークに取扱量も減少をしていたことや2006年には、他の民間施設の整備も進んだことなど、公共団体での運営をやめる客観的条件はそろっていました。さらに、2008年に市民団体から起こされた、公的な運営をやめるよう求めた住民監査請求を真剣に受け止めるならば、事業を清算する機会は、少なからずありました。その機会を逸した責任は免れません。環境局長も「迷惑をかけたことはお詫びしたい」と言わざるを得ませんでした。

今後の環境対策については、ダイオキシンなどの大気汚染について、国の基準の10分の1にすることになっていましたが、今回の譲渡でその基準が守られるのか質問を行いました。生活環境部長は「仕様書には書かれていないが、事業計画のところでは、その基準を守らせる。」と答えました。問題は、その管理・監督ができるようになっているかということです。答弁では「年2回の報告が義務づけられているので、そこで、チェックできる」というものでした。私は、国の基準だけでなく、市としてチェックを行い、住民への説明責任を果たすよう求めました。