石川けんじ
石川けんじ石川けんじ

認可保育園への企業参入の問題が浮き彫りに。人件費を抑え、国債購入費や本部上納金に充てている実態や給食の業務委託・講師派遣を関連企業と契約して、利益を上げる企業の実態を追及しました。

 

本日行われた日本共産党の代表質問(市古てるみ議員)で、企業の運営する保育園の運営費が、子どものために使われるのではなく企業の利益のために使われている、そんな実態が浮き彫りになりました。

民間が運営する保育園には、社会福祉法人と株式会社の運営するものがあります。いずれも、市から保育園運営費が支払われています。これまでの日本共産党議員団の調査で、保育士の経験年数が1年未満という保育園が、市内に16園あり、そのうちの15園が株式会社「子どもの森」と「日本保育サービス」に集中していたことで、この2社に対して人件費が適正に使われているのか、低く抑えられているような実体はないか、調査を進めていました。

今回、代表質問で明らかになったことは、60名定員の保育園では、社会福祉法人が運営する保育所は、運営費の占める人件費の割合(人件費率)は64.9%に対し、2社の運営する保育園の人件費率の平均は、40.7%と、社会福祉法人よりも低く抑えられていました。90名定員でも、社会福祉法人が73.5%なのに対し、2社は50.4%に過ぎません。

さらには、2社の運営費の中には、株式会社「こどもの森」の運営する「こすぎっこ保育園」の場合、有価証券取得支出が1,150万円、積立預金が250万円、本部に回る租税公課が1,055万円余となり、職員棒給額1,638万円よりもはるかに多くなっています。厚労省の「保育所運営費の経理等についての取り扱い通知」では、「安全確実で、かつ換金性の高い方法として、国債、地方債などの方法が考えられるが、株式投資などリスクが大きいものは認められない」となっています。しかし、同じ株式会社が多くの保育所運営の中で人件費率を低く抑え、本来、こどものために使われるべきとされている公金がこのようなやりかたで利益を上げるやり方について市はきびしくチェックすべきです。

国内最大手の保育企業グループ「JPホールディングス」の中核企業の「日本保育サービス」の運営する「アスク平間保育園」では、職員平均勤続年数は0,8年、人件費比率は36,6%です。職員の研修費はゼロで、調理業務委託が764万円余、リトミックなどの講師料が479万円余です。調理業務や講師は関連企業から派遣され、その総額は、年間1億300万円にも及びます。

このように、企業の利益に利用される保育運営費、それをチャック機能は、不十分です。このようなことのないよう、認可保育園への企業参入は、行うべきではありません。